after-hospitalization
入院中の生活・退院後の生活

入院中の生活

当院には3つの入院病棟があります。患者様の病状に応じた治療環境へご案内します。
医師・看護師・ケアワーカー・作業療法士・精神保健福祉士・管理栄養士などの専門職がサポートします。

Aさんの場合:心の治療病棟に入院する

Aさんの症状

気分の落ち込み

食欲がわかず、やせた

無気力、不安、焦り、悲しい気持ちが続く

体がだるい、頭が重い

疲れているのに眠れない

何に対しても意欲がわかず物事を楽しめない

仕事をしても頭がまわらない

朝や午前中は特につらい

Aさんはうつ病。30代男性。会社員。最近ちょっと元気が出ないと思っていましたが、なかなか改善せず、つらくなるばかりでした。休養と薬物療法が必要ならめしばらく休職し、4階心の治療病棟に入院となりました。2週間が経過しました。

洗面、体調チェック(体温・血圧・朝食・服薬)
午前 休息 診察 入浴 作業療法 入浴 診察 休息
昼食、服薬、休息
午後 面会 ホールで過ごす ホールで過ごす 買い物
診察
作業療法 ホールで過ごす 選択
夕方~夜 夕食、服薬、休息、消灯

入浴

洗濯

ホールで過ごす・休憩

買い物

面会

診察

作業療法

入浴

患者さまの身体機能や自立度に応じて、一般入浴と介助入浴があります。
Aさんは入院当初、お風呂に入る気力もありませんでしたが、現在は週2回入浴できるようになりました。

洗濯

病棟内にある洗濯機・乾燥機が利用できます。
Aさんはご家族の面会時に洗濯をお願いしていますが、できる範囲で、ご自分でも洗濯しています。

ホールで過ごす・休息

Aさんはまだ物事に対する意欲がわかず、活動性が低下しています。
病室で休息をとる時間は大切です。しかし、生活リズムを整えるためにも、病棟ホールで過ごす時間も取り入れていくようにしています。
ホールで病棟スタッフや他の患者さんとコミュニケーションをはかる中でも、気分転換をはかれることがあります。

買い物

入院生活に必要な日用品を買いに、院内1階にある売店へ行きました。

面会

Aさんの奥さまやご両親は時々面会にいらっしゃいます。
ご家族のサポートのおかげで、Aさんも安心感を持つことができ、少しずつ自分らしさを取り戻せるようになってきています。

診察

主治医による診察(精神療法)を受けます。

作業療法士

Aさんの作業療法は週に2度。午前または午後に1回ずつ組まれました。疲れやすいため、負担にならないような活動から始めています。

Bさんの場合:リハビリテーション病棟に入院(転棟)する

Bさんの症状

不眠のため生活リズムが乱れる

人がこわい、不信感がつのる

考えがまとまらず混乱する

周囲が常にザワザワしているような感じがする

とても不安で落ち着かない

人の声が聴こえることもある

Bさんは統合失調症。20代女性。3ヶ月前、様子がおかしいと気づいた家族のすすめで、4階心の治療病棟に入院となりました。
病状が落ち着き安定してきたので、リハビリや退院をめざす環境を整えるため2階病棟へ移りました。

洗面、体調チェック(体温・血圧・朝食・服薬)
午前 読書
テレビ
作業療法 作業療法 看護師とのお話 社会生活技能訓練 作業療法 ゆっくり休む
昼食、服薬、休息
午後 ゆっくり休む 入浴洗濯 診察 病棟レク
入浴
診察 入浴洗濯 面会外出
夕方~夜 夕食、服薬、休息、消灯

入浴

洗濯

ゆっくり休む

読書・テレビ

面会・外出

病棟レク

診察

作業療法

社会生活技能訓練

看護師とお話

入浴

患者さまの身体機能や自立度に応じて、一般入浴、介助入浴、機械浴などがあります。

洗濯

病棟内にある洗濯機・乾燥機が利用できます。
Bさんは週3回一般入浴を利用しています。

ゆっくり休む

Bさんは月曜日から金曜日までしっかり活動し、土日は病室でゆっくり休むようにしています。活動と休息のバランスが大切です。

読書・テレビ

入院当初は本を読むのもテレビを見るのも集中できなかったBさんですが、ずいぶん回復しました。現在は病棟ホールにある図書コーナーの本を読んだり、テレビを 見て過ごす時間もあります。

面会・外出

Bさんのお母さまは毎週土曜日に面会にいらっしゃいます。天気が良いときは、お母さまと一緒に買い物や食事に出かけます。

病棟レク

毎月、病棟スタッフが企画するレクリエーションが行われます。患者さんもスタッフも皆で楽しむ時間です。人付き合いが苦手なBさんも、この病棟に来て少しずつスタッフや他の患者さんとも話せるようになってきています。 レクリエーションで皆ともっと仲良くなれるようにとスタッフに誘われました。

診察

主治医による診察(精神療法)を受けます。

作業療法

Bさんは週3回作業療法に参加しています。午前中は主に手工芸の時間。 Bさんは編み物や刺しゅうに取り組んでいます。最近は作業中も混乱せず、きれいな作品を作ること ができるようになり、Bさん自身も回復を実感できるようになってきています。

社会生活技能訓練

Bさんは『症状と服薬のSSTグループ』のメンバーです。 他の患者さんと一緒に、病気や症状、お薬の必要性・副作用について勉強しています。調子が悪くてつ らかった発病時のことを振り返り、病気の症状によるものだったと分かってきました。

看護師とお話

Bさんは、定期的に担当ナースと話し合いをする時間を作っています。 体調や悩み、心配事、病棟生活や作業療法のことなど話し合う中で、考えを整理したり、リハビリの目標を立てたりしています。

Cさんの場合:老年期病棟に入院する

Cさんの症状

じっとしていられず、歩き回る

ぼんやりし、口数が減った

夜に徘徊し、道に迷う

字を書くことや、計算ができなくなった

物忘れが著しい

何とかしようとすると混乱する

身だしなみに無頓着で
整髪や着替えを嫌がる

失禁が増えた

Cさんはアルツハイマー型認知症。80代女性、息子夫婦と同居し、デイサービスに通っていましたが、徘徊や混乱が目立つようになりました。自宅での生活が難しくなったため、3階老年期病棟に入院となりました。

洗面、体調チェック(体温・血圧)、朝食、服薬、整容、更衣
午前 ホールで過ごす 生活機能回復訓練、水分補給、トイレ 社会生活技能訓練
入浴 面会
昼食、服薬、休息、トイレ、オムツ交換
午前 ホールで過ごす 生活機能回復訓練、水分補給、トイレ ホールで過ごす
入浴
夕方~夜 夕食、服薬、休息、トイレ、オムツ交換、消灯

※診察は、主治医が病棟内をまわり、随時行っています。

食事・補食・水分補給

整容

入浴

面会

生活機能回復訓練

社会生活技能訓練

ホールで過ごす

食事・補食・水分補給

患者さまの身体機能や介護度に合わせた食事形態や栄養補給など、高齢者のケアに努めています。 Cさんはやわらかいご飯とキザミ食。午前中は牛乳、午後はお茶とおやつが提供されています。

整容・更衣

高齢患者さまの多くはレンタル衣料を利用されています。 Cさんも、ご家族が毎日面会にいらっしゃることが難しいため、衣類、紙パンツ、日用品のセットを利用中です。

入浴

月曜日と木曜日が入浴日。患者さまの身体機能や自立度に応じて、スタッフが介助しています。認知症治療病棟には車椅子の患者さま向けの特殊浴槽もあります。Cさんも、スタッフの介助で入浴しています。

面会

Cさんの息子さん夫婦が時々面会にいらっしゃいます。生活機能回復訓練の様子を見学しようと、午前中にいらっしゃることもあります。息子さんたちには優しい母親の表情を見せてくださるCさんです。

生活機能回復訓練

Cさんは毎日の生活機能回復訓練を行っています。 午前中は手工芸が中心で、刺し子をしています。編み物や縫い物は若い頃からの趣味。
慣れ親しんだ刺し子を行うと、集中し、とても落ち着いて過ごせています。 また、午後はレクリエーションや体操など、身体を動かすリハビリの時間。懐メロや唱歌を歌うと、笑顔がこぼれるCさんです。 そのほかにも、日常生活で行う様々な行為を日々行うことがリハビリになっています。

社会生活技能訓練

毎週土曜日の午前中に行っている活動にCさんも参加しています。貼り絵や切り絵など、季節に応じた作品をグループで作っています。

ホールで過ごす

日中は活動し、夜はきちんと眠るというリズムが崩れないように、生活機能回復訓練がお休みの日も、Cさんはホールで過ごしています。
テレビを見たり、病棟スタッフや他の患者さんと会話したりして過ごします。

退院後の生活

退院したらどんな生活を送りたいですか?

入院前の生活、入院療養中の経過、ご家族のこと、経済的なことなどを踏まえて、退院後の生活について考えましょう。
青和病院では、患者さまを中心とし、ご家族とともに、医師・看護師・精神保健福祉士、作業療法士などのスタッフみんなで、退院後の生活について一緒に考えていきます

Dさんの場合

下向き矢印

Eさんの場合

下向き矢印

Fさんの場合

下向き矢印

その方に合った生活スタイルを見つけ、自分らしい生活を継続していけるように、サポートします。お気軽にご相談ください。

Dさんの場合:病気とつきあいながら自立した生活を送る

Dさんの状況

Dさんは30代女性。統合失調症。印刷会社で短時間労働をしながらアパートで単身生活を送っていましたが、数ヶ月前に不眠により調子をくずし、4階心の治療病棟に入院しました。薬物療法と休養、作業療法により回復し、退院を考える時期になりました。

Dさんは、ご家族や関係スタッフと一緒に、退院に向けて話し合いました。 話し合いでの提案やアドバイスも取り入れて、Dさんの退院後の生活は少しずつ形になっていくでしょう。

Dさんの思い

  • また同じ職場で働きたい。
  • 仕事を休んだ分の焦りが少しある。
  • 自立した生活を送りたい。
  • 薬を忘れず飲み続けられるか心配...
  • 自分の病気のことを、もう少しきちんと知りたい。

ご家族の思い

  • 回復してよかったけど、今の良い状態を維持していくためには、どんなことに気をつけていたらいいの?この病気について、まだよく分からない部分がある。
  • 仕事を休んだ分の焦りが少しある。
  • 自立した生活を送りたい。
  • 薬を忘れず飲み続けられるか心配...
  • 自分の病気のことを、もう少しきちんと知りたい。

医師からのコメント

Dさんは今の薬でうまくいっているようなので、処方を継続します。お仕事は短時間労働とはいえ無理しないように、1日休養日を作ってはどうですか?デイケアなどを利用し、同じような病気を持つ方と交流しながら、病気について理解を深めていくのもいいかもしれません。定期受診にも来てくださいね。、ご家族や関係スタッフと一緒に、退院に向けて話し合いました。話し合いでの提案やアドバイスも取り入れて、Dさんの退院後の生活は少しずつ形になっていくでしょう。

精神保健福祉士からのコメント

入院や通院にかかる費用については、利用できる制度があります。退院までに一緒にアパートを見に行ってきましょうか。退院後も訪問看護が利用できます。職場復帰についても段階的に考えた方がいいですね。就労支援が必要な場合には、作業療法士と連携してサポートします。

看護師からのコメント

入院中も身のまわりのことは自分できちんとできていたので、アパート生活に戻っても大丈夫ですね。退院までに、統合失調症について一緒に勉強し、薬を忘れず飲む工夫を考えましょう。

作業療法士からのコメント

入院中の作業療法には休まず参加できていましたし、集中力も回復してきましたね。課題がいくつもあると混乱しやすい傾向にあるので、メモに書きとめて、1つずつ順番に取りかかりましょう。休憩をうまくとり、気分転換することで、疲労を防ぎ、持続力を高められるでしょう。

Eさんの場合:福祉サービスを利用して生活する

Eさんの状況

Eさんは40代男性。双極性障害。これまで何度か入退院を繰り返し、今回の入院はやがて2年になろうとしています。2階リハビリテーション病棟での生活は安定してきていますが、季節の変わり目などに不安定になる傾向です。当院の外来サービスや社会復帰施設など、福祉サービスを利用した形での退院を考えることになりました。

医師からのコメント

Eさんは、退院・施設入所に向けて準備をすすめることとし、スタッフと共に施設見学に行きました。そして、それぞれのサービスがどんな特徴があるのか整理してみました。病棟スタッフ、施設スタッフとのやりとりや、体験利用を重ね、Eさんは新しい生活を組み立てながら、退院日を待つことになるでしょう。

Eさんの思い

  • 本当は家に帰りたい。でも、入院生活が長く続いた分、いろいろな不安もある。
  • 人付き合いが苦手。相談相手がいるといいけど…。
  • 仕事ができたらいいけど、もう若くないしなぁ。
  • どんな生活スタイルが自分に合っているんだろう?

ご家族の思い

  • 家族も高齢になり、自宅で共に暮らすのは難しい。病状が悪くなることがあっても対応できる自信がない。職員のいる施設への入所なら安心。体調がいいときに、自宅に外泊に来たらどうか?面会にも行くつもり。
  • 時間がかかってもいいから、施設生活でいろいろなことを身につけて、社会復帰できれば…。

社会復帰施設みらい

社会生活技能訓練

喫茶ワルツ

精神保健福祉士からのコメント

青和病院には、いろいろな社会復帰施設があります。整理すると、3つの場に分けることができます。
実際に施設を利用している人たちは、どんな生活を送っているのか?具体例をみて、施設の活用方法をイメージしてみましょう。

Fさんの場合:福祉サービスを利用して生活する

Fさんの状況

Fさんは80代男性。認知症。要介護2。物忘れに加えて徘徊や怒りっぽさが目立っていましたが、3階老年期病棟での1カ月の治療により、穏やかさを取り戻しつつあります。しかし、足腰の痛みがあり、車椅子を使うことが増えてきています。病状が安定するまで、もうしばらく入院療養が必要ですが、認知・心理面だけでなく、身体機能面からも、今後の方向性を考えて、準備をすすめておく必要があります。

Fさんに関わる病棟スタッフは、ケアマネージャーと共に、ご家族をまじえ、退院後を見据えた検討会を開きました。Fさんの症状と、ご家族の介護力に応じたサービスを選べることが明確になりました。ご家族は安心して、退院について考えていけそうです。早い段階から、Fさんに関わる人たちが連携をとっていくことで、退院時にはスムーズに医療から福祉にバトンタッチすることができるでしょう。
Fさんは、退院・施設入所に向けて準備をすすめることとし、スタッフと共に施設見学に行きました。そして、それぞれのサービスがどんな特徴があるのか整理してみました。病棟スタッフ、施設スタッフとのやりとりや、体験利用を重ね、新しい生活を組み立てながら、退院日を待つことになるでしょう。

Fさんの思い

  • うちに帰りたいけどね…
  • 足も腰も痛くてねぇ…

ご家族の思い

  • このまま車椅子生活になってしまうと、自宅での生活は難しい。高齢者施設への入所も視野にいれて考えたい。
  • 自宅退院となっても、日中は家に誰もいないので、1人にしておくのは心配。

施設入所の場合

高齢者施設の例

介護老人保健施設

サービス付き高齢者向け住宅

特別養護老人ホーム

サービス付き高齢者住宅 など

養護老人ホーム

ケアマネージャー

施設探しや見学をサポートします!体験入所もできますよ。

自宅退院の場合

日中はデイケアやデイサービスに通所してリハビリを!

自宅でも福祉用具を使って安全な生活。

ホームヘルパーや配食サービスも利用すると便利。

家族も介護疲れにならないような工夫をしましょう。

ケアマネージャー

訪問看護やデイケア・パールもご利用ください!
これからも青和病院と連携して支援します。困ったことがあったら、相談してくださいね。

お問い合わせ・ご相談

入院についてのお問い合わせやご相談は、医療連携支援室までご連絡ください。

お電話でのお問い合わせ・ご相談

(平日:08:30〜17:30)

外来受付時間
午 前 午 後
初 診 9:00〜10:00 13:30〜14:00
再 診 8:30〜11:30 13:30〜16:00
※休診日:土曜午後・日曜・祝祭日

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